効果が見え、持続できる対策を

気象庁の3ヶ月予報による7〜9月の平均気温は、平年を上回る確率が東日本で50%、西日本では60%に上るという。今年も梅雨が明ければ猛暑に悩まされ、地球温暖化を嫌でも肌に感じる夏になりそうな気配だ。世界に目を転じても、年間平均気温は上昇傾向にあり、深刻な自然災害が相次いでいる。

地球温暖化の原因は二酸化炭素などの温室効果ガスで、日本ではその発生源の大半が産業活動に起因している。

このため、経済産業省は先週、温室効果ガスを2050年までに現在より80%削減する政府の長期目標の達成に向けた初の検討会を開いた。省エネルギー・再生可能エネルギー分野への投資拡大策や、低炭素化技術の海外市場への展開策を議論し、年度内に報告書をまとめる。

他方、環境省も長期目標の達成に必要な具体策を検討する会合を月内にも設置する。

日本は国際合意の「パリ協定」に沿って、温室効果ガスの削減戦略を提示する必要にも迫られている。政府を挙げて温暖化対策を検討するのは当然といえよう。中でも、野心的とされる政府目標を実現するためには、温室効果ガスの主な発生源である民間事業者の取り組みを促すことに知恵を絞る必要がある。

だが、温暖化対策を進める上での課題は、対策の効果を企業や個人が実感しにくいため、取り組みへの意欲が持続的に見えることが望ましい。

例えば、温室効果ガス削減の努力が企業の利益向上につながる「排出量取引制度」の導入を進めてはどうか。日本全体の温室効果ガスは、全企業が排出するガスの総量でほぼ決まる。この制度はその枠組みをうまく生かし、ガス排出量の多い企業が、排出量の少ない企業から″排出できる枠″を購入できるようにしている。そうすることで、日本の総排出量を抑えるだけでなく、排出枠を買い取ってもらった企業の収益が増え、従業員の給料アップも期待できる。

地球温暖化対策は、官民問わず国を挙げて取り組むべき課題である。環境の党として数多くの実績を積み重ねてきた公明党が、そのリード役を果たしていきたい。
2016年7月16日 公明新聞より掲載