教育、年金など生活者に目配り

経済成長の道筋を確かなものにして、未来への展望を開いていかなければならない。

政府は2日午後の臨時閣議で、事業規模28兆円超の経済対策を決定した。自民、公明両党が勝利した参院選から三週間余りで具体策を示したことは、国民の期待に少しでも早く応えようとする政権の姿勢の表れと言えよう。

主な事業内容を見ると、保育・介護の受け皿整備を含んだ1億総活躍社会関連で3兆5000億円、外国人観光客の受け入れ増加をめざすなど21世紀型インフラ整備で10兆7000億円、中小企業・小規模事業者や地方への支援で10兆9000億円、熊本地震や東日本大震災の復興支援で3兆円ーなどが並ぶ。これらは、2016年度補正予算案や17年度本予算案などに盛り込まれる見通しだ。

この中で注目したいのが、生活者に光を当てる視点であり、「希望がゆきわたり、未来への成長を促す経済対策を」と題する公明党の提言の多くが反映されていることだ。

例えば、奨学金については、17年度予算編成の過程で制度内容について結論を得て実現すると明記した。政府として制度化の時期を示したのは初めてであり、大きな前進である。

無利子奨学金の成績要件についても、17年度の進学者から実質的に撤廃することが盛り込まれた。「経済的理由で学業を諦めることがあってはならない」との公明党の粘り強い主張が、実を結びつつあることを実感する。家計の経済的負担の軽減にもつながる。

年金の受給資格に必要な保険料支払い期間を25年から10年に短縮する無年金者対策は、17年度中に確実に実施できるよう法案を提出する。雇用保険料(自己負担)の次元的な引き下げや最低賃金引き上げなど、働き手の手取り収入を底上げするための具体策にも言及している。成長の「果実」が生活者の元へ届くよう目配りを利かせた内容だ。

19年10月に予定される消費税率引上げに際し、軽減税率の導入を改めて明記したことも確認しておきたい。

「希望がゆきわたらせる」とは、国民一人一人が将来に安心を持てることだ。それが政治の使命であることを強く心に期したい。
2016年8月3日 公明新聞より掲載