救助と被災者支援に総力を

被災者の救援と今後の余震活動に伴う被害の拡大防止に、政府と自治体は総力を挙げてほしい。

熊本県益城町で14日夜、震度7の強い地震が起きた。この地震で同町を中心に建物が倒壊する被害が相次ぎ、9人が死亡した。同県内のけが人は1000人以上とみられ、うち53人が重傷だ。住民の避難は今も続いており、一時4万人を超えた。

人命救助と避難支援者は、一刻を争う状況下であり、遅れは許されない。政府は同県庁内に現地対策本部を設置した。

公明党も直ちに対策本部を党本部に設置した。本部長代理の江田康幸衆院議員(党熊本県本部代表)、あきの公造参院議員、高瀬ひろみ女性局次長らが現場へ急行し、被害が大きかった益城町宮園地区を調査。地震で家屋を失った住民から要望を聴いた。

気象庁は「余震活動が活発で、今後も1週間程度は震度6弱程度の余震が発生する恐れがある」として、警戒を呼び掛けている。

仮に避難生活が長引いた際に心配されるのが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった健康被害だ。東日本大震災から得た教訓を生かし、政府は心のケアの専門医の派遣を含め医療支援の態勢を充実すべきだ。

また、九州自動車道でも被害が相次ぎ、地域産業への影響が懸念される。益城町に隣接する菊陽町には大手企業の製品開発工場があり、復旧の遅れから物流が滞れば日本経済全体にも影響が及びかねない。

唯一稼動する川内原発(鹿児島県薩摩川内市)への影響はなかったが、余震に備えた安全監視は今後も必要だ。

首都直下地震や南海トラフ地震への対策が各地で進む中で発生した今回の地震は、あらためてわが国が地震大国であるとの現実を思い起こさせた。政府は防災・減災のための取り組みを、さらに加速させるべきである。

被災地の天候はきょうから悪化するとの予報だ。大雨になれば、地盤が緩んだ土地では土砂災害の危険もある。政府と自治体は緊密な連携を保ち、避難場所や食料、毛布の確保に全力を尽くしてほしい。

2016年4月16日 公明新聞より掲載