来年4月の消費税率10%への引き上げに伴い、軽減税率が導入されることが確定した。今年度の税制改正関連法が成立し、消費税制度の中に軽減税率が組み込まれたからだ。今後は、軽減税率が円滑に実施できるように着実に準備を進める段階へと移行する。政府は最大限の支援に努めてもらいたい。

特に軽減税率への対応に苦戦するとみられる中小・小規模企業への支援が必要だ。「小・中学校での給食は税率8%、社食や学食は税率10%」といった詳しい線引きや、対象商品を計算できるレジ、ソフトウェアの製品名を政府が公表したことで、これから事業者は本格的な準備に取り掛かるだろう。

すでに政府は、軽減税率に対応するレジの導入や、システムの回収に掛かる費用の一部を補助する制度を始めている。相談窓口の設置や、専門家を派遣してきめ細やかな指導・助言に努めるなど周知やサポート体制を整備している。

とはいえ、不安を抱える事業者は少ない。さらに政府の対応を促すため、公明党は今週中にも「軽減税率推進対策本部」を設置する予定だ。事業者などの声を丁寧に聞いていきたい。また、公明党最大の強みである地方議員のネットワークを生かし、現場の声なき声に耳を傾けていく必要もある。

一方で、消費税率を10%に引き上げるための環境設備も欠かせない。安倍晋三首相は「リーマンショックあるいは大震災のような事態が発生しない限り、来年、予定通り(消費税を10%に)引き上げていく」と表明している。しかし、景気の先行きを不安視する指摘もある。

そのため安倍首相は5日、今年度予算などに盛り込まれた12兆1千億円の事業を前倒しして執行するよう関係閣僚に指示した。併せて、景気を下支えする新たな景気対策を進めてもらいたい。

社会保障の維持・充実に必要な消費増税だが、国民の理解を得るためにも、景気への影響を最小限に抑えることが何よりも求められよう。その意味で軽減税率の導入には、痛税関を和らげて消費の落ち込みを防ぐ目的がある事を、改めて強調しておきたい。

2016年4月6日 公明新聞より掲載